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「法は無視しろ、頼るべきは暴力だけ」北朝鮮でヤクザと半グレが増殖中

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国際社会の制裁が強化される中、北朝鮮の市場では半グレ集団が暗躍している。保安員(警察官)とグルになって、トラックドライバーから桁外れの駐車料を巻き上げているというのだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

(参考記事:【実録 北朝鮮ヤクザの世界(上)】28歳で頂点に立った伝説の男

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、その手口は次のようなものだ。

抗争で死者も

彼らは、清津(チョンジン)にある全国有数の流通の拠点、水南(スナム)市場に、茂山(ムサン)、会寧(フェリョン)などから荷物を積んでやって来たトラックを主なターゲットとする。

ドライバーが市場周辺の道にトラックを停めて荷降ろし、荷積みをしようとすると、半グレ「ここはうちの駐車場だ」と難癖をつけて、駐車料をふんだくる。その額は1台あたりなんと中国人民元で1000元から1500元(約1万6400円〜27400円)というボッタクリ料金だ。巻き上げたカネは、水南区域保安署の市場巡察隊と6対4の割合で山分けする。(参考記事:「良心を捨て、狼のように生きろ」北朝鮮ヤクザの無慈悲な戦い

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地域は異なるが、両江道(リャンガンド)の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の部隊が、資金稼ぎに行っている駐車場の料金は、1時間2000〜4000北朝鮮ウォン(約26円〜52円)。恵山(ヘサン)長距離運送事業所の駐車場は、1ヶ月の駐車料金が270元(約4400円)。それも兵士が24時間体制で警備してくれてこの値段だ。半グレ駐車場がいかにボッタクリかがわかる。(関連記事:女性兵士の「性上納」とカネ儲け…北朝鮮軍の「ポンコツ」な実態

半グレ集団の横暴は、自分の車を持たない人にも及ぶ。

ソビ車(民間人所有のバスやトラック)に乗ろうとする卸売業者や行商人から、根拠不明の料金をふんだくるというのだ。払わなければ車には乗せない。このような状態にあるため、トラックやバスが市場に近づこうとせず、商人らが買い込んだ品物を運べない有様だという。

当局は対策を立てるどころか、ボッタクリに加担しているため、被害が後を絶たない。トラックドライバー、市場の商人、地域住民の間では怨嗟の声が渦巻いている。

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半グレの横暴は今に始まったことではない。

道内の端川(タンチョン)では昨年、港で水揚げされる海産物の利権をめぐり、傷痍軍人からなる2つの半グレ集団が抗争を繰り広げ、死者が出る事態となった。(関連記事:北朝鮮で「半グレ抗争」勃発…レンガやショベルで無慈悲に滅多打ち

さらにはこのような状況が、秩序を守るより暴力に依存する悪循環を生んでいる。半グレやヤクザがのさばる市場での熾烈な競争に生き残るには「良心を捨てて、狼のように無慈悲に」「法は無視しろ、頼るべきは暴力しかない」という認識が広まっているというのである。(参考記事:【実録 北朝鮮ヤクザの世界(上)】28歳で頂点に立った伝説の男