一方、ワームビアさんの検視を行った監察医は「拷問の痕跡はみつからなかった」と証言しているとの情報もあり、連邦地裁でどのような判断が下されるかはわからない。
(参考記事:「性拷問」の証言も…北朝鮮は「外国人人質」に何をしているのか)しかし仮に、連邦地裁が「拷問はあった」と認定するようなら、非核化を巡って進行している米朝対話にも影響が及ぶ可能性もある。今は非核化を優先し、北朝鮮の人権侵害から目を背けているトランプ米大統領も、米国の裁判所が自国民の「拷問死」を認めたとあっては、これまでとまったく同じ態度を取り続けるのは難しくなるかもしれない。
(参考記事:あの話だけはしないで欲しい…金正恩氏、トランプ大統領に懇願か)サウジアラビアの記者殺害事件を巡り、当初はサウジ政府を擁護しながら、真相が明らかになるにつれ距離を置かざるを得なくなったのと同じ構図になりかねないということだ。