男性はろくに給料も出ない職場に縛り付けられているために、一家を養うことも難しい。その代わりに女性たちは、朝から晩まで市場で働いている。それに加え、国家が行う増産キャンペーンや勤労動員にも駆り出される。そのような環境の中にあっては、「子どもをどんどん生め」と求める方が無理なのだ。
北朝鮮はまた、女性に多産を求めるだけで、医療面でのケアも行っていない。平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は、RFAに対し次のように語っている。
「わが国ではいま、女性たちの婦人科疾患が社会問題になりつつあるが、適切な診療を受ける方法がない。病院で注射を打ってもらうにも薬は市場へ行き、自費で購入しなければならない。しかしペニシリンなどの医薬品の値段が高すぎて、庶民にはとうてい手が出ない」