韓国女性家族省が2012年に発表した「暴力被害脱北女性カスタマイジング自立支援方案研究」という報告書によると、脱北後に性暴力の被害を受けた経験があると答えた脱北女性は全体の44.3%に達した。これは韓国女性の平均4.7%の10倍近い。
京畿道外国人人権センターが2015年に行った調査によると、韓国在住の外国人女性が性的暴力の被害に遭ったり目撃したりした割合は15.2%だ。調査方法が異なるので単純比較はできないが、同じ社会的弱者でも外国人女性より脱北女性の方がより性的暴力にさらされる可能性が高いことを示していると言えよう。
報告書は、脱北女性が北朝鮮、中国を含む第3国、そして韓国のいずれでも性的暴力の被害に遭っていると指摘している。
北朝鮮では軍における性暴力が非常に深刻だ。労働党への入党をちらつかせ性的関係を迫る「マダラス」と呼ばれる性上納行為が蔓延している。
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また、北朝鮮ではそもそも性暴力の概念が希薄で、セクハラやストーカー行為に対応する法律も存在しないため、被害女性が、自分が受けた被害が人権侵害だと気づいたのは脱北して韓国に来てからというケースが多いという。