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金正恩氏の「血の大虐殺」を予言していた北朝鮮の占い師たち

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北朝鮮の秘密警察「国家安全保衛部(以下、保衛部)」が、最近ある「占い」をめぐって約40人の北朝鮮住民を緊急逮捕したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。一体、何があったのか。

金正恩氏は3年後に逝く

北朝鮮で「占い」は違法行為だが極めて盛んだ。その背景として90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」を通じて社会不安が蔓延したことがある。大量の人々が餓死し、社会システムは麻痺した。こうしたなか、迷信に頼る住民が急増した。

今ではトンジュと呼ばれる新興富裕層が、大きなビジネスに取り組む前に「商運」を、さらには高級幹部たちが自分たちの行く末を占ってもらうようになった。

なかには、金正恩党委員長について占ってもらう高級幹部もいる。その結果、ある占い師の「お告げ」をきっかけに、「金正恩2019年終末論」が密かに拡散したことがあった。

血の大虐殺を予言

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そして今回の大量逮捕の理由も、やはり金正恩氏に関する占いだった。

RFAによると、洪水被害に見舞われた北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)地域で、複数の占い師が「2017年は赤酉の年。金正恩が血の粛清をすることにより、大規模な人命被害が起こる」と予言していたという。

この噂が口コミで伝わったことにより、保衛部は占い師4人、そしてこの噂を流布した住民40人を不穏分子として緊急逮捕したという。

逮捕された40人が、どのような処罰を受けるのかはわからない。北朝鮮の刑法256条では、カネや物品を受け取って迷信に基づく行為を働いた者は1年以下の労働鍛錬刑に、罪状の重い者は3年以下の労働教化刑に処すと規定されている。

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しかし、40人が逮捕された理由が「金正恩氏の権威」に関わるだけに、拘禁施設で過酷な処遇を受ける可能性が高い。

隠れていた人災

占い師の予言が的中したのかどうかはともかく、北朝鮮北東部では8月末の台風10号(ライオンロック)によって、深刻な水害被害に見舞われた。

北朝鮮当局による「予告無しのダムの放流」が、今回の水害被害を拡大させたという見方が強まっている。過去の災害や大規模事故と同じく「人災」が隠れていたのである。

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きっかけこそ自然災害だったが、金正恩氏の失政が被害をさらに拡大させたという見方もできる。つまり「金正恩氏による大規模な人命被害」という点において、占いのお告げはあながち外れたわけでもなかったわけだ。