北朝鮮のエリート大学生が決起した「投書事件」の顛末

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もはや逃げられないと悟った別の学生1人は、大学1号校舎の9階で首を吊って自ら命を絶った。そのすきに3人が逃亡した。保衛部は国境を閉鎖すると同時に、友人など関係者宅に踏み込むなどして行方を追った。

3人は、外国大使館が密集している市内の大同江(テドンガン)区域に身を潜めていたが、逃亡から15日後に保衛部要員に逮捕された。連行された彼らは即決で処刑されたと伝えられている。

金正日氏がこうまで徹底的に抹殺した学生らは、手紙にどんなことを書いたのか。

彼らの投書はまず、マルクスの資本論の矛盾を事細かく指摘し、プロレタリア独裁は創造力を低下させ、経済発展を阻害すると強調した。投書はさらに、北朝鮮で「土台」「成分」などと呼ばれる身分制度にも踏み込んだ。