北朝鮮では、旅客輸送の6割、貨物輸送の9割を担う鉄道を「人民経済の先行管」「国の動脈」として非常に重要視している。多額の投資をして電化率は8割を越えているが、それがあだとなり、深刻な電力難で立ち往生する事例が相次いでいる。
女性兵士らの悲劇
金正恩党委員長は、先月の南北首脳会談で韓国の文在寅大統領の訪朝に関連し、自国の交通の劣悪さについて言及している。
「平昌(冬季五輪)を訪問した(北朝鮮の)人々が韓国の鉄道は素晴らしいと言っていた。北朝鮮は交通が良くないので、このような環境にいて北朝鮮に来たら本当に不便に感じるかもしれない。ゆったりとお迎えできるようにしたい」
金正恩氏が、全世界の前で認めざるを得ないほど、北朝鮮の交通インフラは劣悪なのだが、単に「不便」という範囲には収まらない悲劇が起きている。
(参考記事:死者数百人の事故が多発する北朝鮮の「阿鼻叫喚列車」)