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北朝鮮で強制労働させられる子どもたち…王様どころか奴隷

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北朝鮮で農作業が始まる5月、子ども達は「田植え戦闘」にかり出され、苦しい1ヶ月を過ごさなければならない。

北朝鮮で、青少年は春に30日、夏に30日、秋に45日間、農村支援に動員される。この期間、学生たちは学校にも行かずに家族から離れて、協同農場で農作業をしなければならない。中学校3学年から大学を卒業するまでだ。

春の主な作業はトウモロコシや稲苗床作り、肥料まき、田植えなど、成人と同じように朝9時から夕方5、6時ぐらいまで農作業をする。

ヒルに噛まれながらの辛い農作業

また、学校、学級、個人別にノルマが割当てられる、達成できなかった場合、他の単位(グループ)が埋め合わせをするなど仕事量がより増える。

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北朝鮮人権市民連合が発刊した北朝鮮児童権実態報告書「王様と呼ばれる子供たち」は、黄海北道(ファンヘブクド)出身の脱北青少年キム・カンチョル君の辛い経験談を紹介している。

「平時は午後から夕方まで、5月には1ヶ月近く農場に住み込みで『田植え戦闘』をしなければならない。監督員の監視の下で、朝早くから起床して冷たい水の中でヒルに噛まれながらの農作業は思い出したくもない」

クズ鉄集めにも動員

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学生たちにとって夏は最も大変な農村支援活動の時期だ。主に草取りをするのだが、機械もないのでクワで一日中畑を耕す。この作業をしなければ、秋の収穫期にジャガイモが食べられない。

農村支援活動のない冬には、肥料や燃料の木を一日中集めるので、勉強もできない。また、支援活動だけでなく、学校の教員の畑作業の手伝いや、引越の手伝いもさせられるなど学校現場で搾取されているともいえる。

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『いいことをする運動』は、青少年を対象に進められる労働力動員運動だ。『子供計画運動』と名付けられた奉仕活動について韓国の大学に通う20代の脱北者チェ・ミヨンさん(仮名)は、次のように述べた。

「学校では、子供活動としてクローバーを集めたり、ぼろ切れ、くず鉄などを提出させられた。軍人の冬服用に学校でウサギを育て、このウサギのエサにするためクローバーを集める」

ノルマ未達なら現金で穴埋め

いまでは「トウモロコシ栄養団地は学生団地」と言われるほど、子どもの労働力が投入されている現実がある。

そして、労働力として動員させられるだけでなく、学校では様々な名目の納付金の徴収を要求され「学業放棄にもつながっている」とある脱北者は語る。

「穏城地域の小学校では、外貨稼ぎのため学生たち満州杏種(杏の一種)を10キロ採ることを指示された。それが出来なければ、強制的に現金5千ウォンを納付させられた。用意できない子供たちは、学校で辛い思いをするので通学できなくなる場合もある」

「子供は王様」

2009年12月に脱北した会寧(フェリョン)出身者は「学生は、学校美化という名目で3ヶ月ごとに3万ウォンを出さなければならなかった。しかし、一般労働者の子供はお金がないので、学校でも面倒を見ることができずに、辞退をするケースが多かった」と話した。

脱北者のチェ氏は、「苦難の行軍(1995年以降の大飢餓)の時期に田舎の小学校に通っていたが、学級の半数は出席していなかった。私自身も、先に母が韓国へ脱北していたことから、一日に一食を食べることもままならず、学校どころか、外を出歩きまわりながら粥を食べながら食いつないだ」と話した。

故金日成氏はでこう述べている。

「朝鮮民主主義人民共和国では、子供は国の王様であり、子供のためには何一つ惜しむべきではない」

しかし2011年、北朝鮮の子供は『王様』どころか『国の奴隷』のように扱われながら金正日体制の維持のため利用されている。