「もしかしたら人権侵害かも…」庶民の逆襲を恐れるようになった北朝鮮の警察官

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地方出身で昨年韓国にやってきた50代の脱北者の男性はRFAの取材に、保安員(警察官)は「人権がらみの問題を起こすと厄介だ」という認識を持つようになり、国民の逆襲が始まったという。

「保安員たちも下手をすれば『人権とやらのせいで落とされる』と言っている。実際に降格させられたり、除隊させられたりすることも多いから、人々はそれを知って逆襲するようになった。中央党(朝鮮労働党中央委員会)に信訴(告訴)したり、『行くところまで行ってやってやろうじゃないか』と道端で保安員と争ったりする。保安署でも、引っ張っていった人を殴ったり、無茶な容疑で死刑にしたりするのはかなりなくなった」

金正恩党委員長は2017年、「職権を乱用して金儲けをするな、住民に対する暴行、拷問などの人権侵害をやめよ」との指示を下したと伝えられている。これがきっかけで、権力者の人権侵害に多少ながら歯止めがかかるようになったもようだ。

(参考記事:金正恩氏が自分は棚に上げて秘密警察に「人権侵害やめろ」と指示か

傍若無人の限りを尽くしてきた保安員だが、「市場や通りで保安員が取り締まりやワイロの要求をすれば、公然と歯向かう人が増えた」(脱北者)という状況では、思うようにできなくなった。