そして、「3.1運動」の意義を強調することは、最高指導者の歴史的な権威を相対化することにつながりかねない。たとえ首脳会談で韓国との共催が決まっていても、その行事を直接担当したいと思う幹部はいなかったのではないか。命がいくつあっても足りないからだ。
(参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導)実際、北朝鮮系の民族団体である在日本朝鮮人総連合会の関係者も、「本国もうちの組織も、正直なところ、今まで3.1運動にはそれほど関心がなかった。南北共催がいったん決まり、皆、何をすれば良いのか途方に暮れていたのではないか」と語る。
朝鮮半島の分断はすでに70年以上に及んでいるわけで、このような歴史的な認識の相違はほかにも少なくない。今後、南北が接近するほどに、むしろこうした違いが鮮明になっていくのかもしれない。