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北朝鮮「36人死亡」のバス大惨事、燃料節約が原因か

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先月22日に北朝鮮の黄海北道(ファンヘブクト)で起きた交通事故は、中国人観光客ら36人が死亡する大惨事となった。事故の原因については、当時降っていた大雨の影響が指摘されているが、その一方では間接的に経済制裁が影響したのではないかとの声も上がっている。

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北朝鮮事情に精通した中国の消息筋は、中国の北朝鮮専門旅行会社の担当者の話として、事故の原因はドライバーの惰性運転と、運転ミスにあると伝えた。

自動車を運転するときに、下り坂などでギアをニュートラルに入れ、エンジンを完全に切ると、燃料を節約できる。

自動車のエンジンは、ガソリンや軽油の燃焼エネルギーでタイヤを回転させているわけだが、アクセルを完全に戻して燃料の供給を止めると、逆にタイヤがエンジンを回す形になり、その抵抗でタイヤの回転が落ちるエンジンブレーキが作用する。

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しかし、ギアをニュートラルに入れてタイヤとエンジンの接続を外してしまうと、これが作用しなくなり、ドライバーはタイヤの制動をフットブレーキだけに頼ることになり、とっさの事態に対応できず事故につながりやすい。

北朝鮮で運転免許を取るには、車の整備を含めた専門知識が必要になる。ドライバーに、惰性運転の危険性に対する知識がないはずはないのだ。つまりはリスクを知りつつも、国際社会の経済制裁の影響で高騰した燃料を少しでも節約するため、安全を度外視した運転を行っていたということになる。

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ガソリン1キロ(1.34リットル)の価格は、制裁が強化される前の昨年3月には8000北朝鮮ウォン(約104円)前後だったが、10月末には2万北朝鮮ウォン(約260円)まで高騰した。その後はロシアからの輸入などで下落傾向にあったが、再び上昇して今年4月には1万5000北朝鮮ウォン(約195円)代でゆるやかな上昇傾向にある。

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このような状況で、安全よりも節約を優先しようという心理が働き、ドライバーが惰性運転を多用しているとの指摘がある。

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韓国在住のある脱北者によると、北朝鮮には山道が多いため、下り坂で惰性運転することが多いという。特に傾斜が緩いところで油断してエンジンを切り、事故を起こすことが多かったとのことだ。

これを受けて、中国の旅行会社は北朝鮮側に対して「ギアをニュートラルにして運転してはならない」と強調しているという。