今年5月に死去した姜錫柱(カン・ソクジュ)氏は、少年時代に両親の仇を皆殺しにしたという特異な経歴の持ち主だが、女性遍歴もすさまじかった。劇団員などの若い女性をとっかえひっかえ愛人にしては、「適齢期」になると部下と結婚させていたという。
(参考記事:報復殺人と「秘密の饗宴」、そして女性遍歴…北朝鮮外交エリートの実像)まさに北朝鮮指導層のなかでは、様々な愛憎劇が繰り広げられているわけだが、金玉氏はなぜ粛正に追い込まれたのだろうか。理由は、金玉氏の弟、金均(キム・ギュン)氏にあった。
継母を「この世の地獄」へ?
金正日氏の三番目の妻と言われ、正恩氏の実母でもある高ヨンヒ氏の死去後、金均氏は自分の姉が金総書記から寵愛を受けていることから、傍若無人な行動と傲慢な態度を取っていた。そして、正日氏の死後、国家安全保衛部(秘密警察)が、金均氏の件を正恩氏に報告し、連座制で家族全員が管理所に収容されたという。