また、北朝鮮では学校に通わず、家庭教師から特別教育を受けたとされるが、数学や物理などの基礎科学を好み、2007年から2008年にかけての6カ月間、金日成総合大学の物理学部で特別コースを履修したとされる。この点、勉強が苦手で、母親により軍隊に送り込まれた金正恩氏とはキャラクターが異なるようだ。
大学を終えた2009年2月、金与正氏は朝鮮労働党宣伝扇動部の行事課にポジションを得て、官僚としてのキャリアをスタートする。宣伝扇動部は、北朝鮮における重要機関のひとつだ。そこで金与正氏は間もなく課長になり、2014年1月には同部の行事担当副部長となる。
そして同年4月、行事課は行事部に昇格し、金与正氏が部長不在の第1副部長――つまりは実質的な部門長に就いたというのが、李氏の説明である。ただ、党行事部の存在については、李氏以外に言及している人がいない。引き続き、確認の必要な情報と言える。