それを見た農民は慌てて「ノルマさえ達成すれば良いはずだ」「せっかく植えたものなのだから、今年だけは見逃してほしい」と検閲官に泣きながらすがりついた。ところが検閲官は逆に腹を立て、スイカのつるをズタズタにして畑をむちゃくちゃにしてしまったという。
収穫を目前にしてスイカ畑をむちゃくちゃにされた農民は、「お上のやることはあまりにも酷すぎる」と激怒している。無事なスイカを見つけようと、泣きながら畑をさまよう人もいたという。
農民はまた「党の政策に反しているのは検閲官の方だ」とも言っている。金正恩党委員長は2012年、協同農場の農地を農場員(農民)に任せ、収穫の一定割合だけを国家に納めさせ、残りは個人の分前とする「圃田担当制」を導入したが、取り締まりはそれに反しているという理屈だ。
当局は来年も農民に畑の耕作を委託しようとするだろうが、今回の一件でやる気を削がれた農民は、もはや熱意を失ってしまったかもしれない。スイカを取り上げられたことで、トウモロコシの収穫まで減りかねないのだ。
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