北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は14日、日本政府が海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を実質的な空母として運用しようとしていることを受けて、「日本はアジア太平洋地域と世界の平和を害する悪性腫瘍」であると非難する論評を掲載した。
また国営の朝鮮中央通信も12日付の論評で、「日本は中国に対抗するために空母を保有しようとすると公言しているが、それは武力増強、海外膨張に対する日本の野心を示す」ものだとして、「世界は、日本の軽挙妄動に警戒心を高めなければならない」と主張した。
最近の北朝鮮の対日非難には、大きく2つの流れがある。ひとつは歴史問題に言及し、日本に朝鮮半島支配の過去清算を迫る論調だ。そしてもうひとつの流れが、今回のような日本の軍備増強に対する非難だ。
(参考記事:「自衛隊の攻撃能力は世界一流」と主張する金正恩氏の真意)しかし「いずも」の空母化に関して言うと、日本の目的は遠洋での戦闘機運用にあるわけで、対北朝鮮戦略との関連は薄いと言える。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真前述したとおり、朝鮮中央通信の論評も日本の動機は「中国に対抗するため」であるとの認識を示している。北朝鮮メディアはほかにも、自衛隊の活動などに対して「言いがかり」的な論評を乱発している。
(参考記事:北朝鮮、自衛隊訓練の中止に気づかず非難)その目的は何だろうか。それはおそらく、弾道ミサイル戦力を極力温存するためだ。日本の「脅威」を強調することで、自衛のために短・中距離の弾道ミサイル戦力を維持しようとしているのだ。
最も射程の長い大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、米国との非核化対話の中で、当然に廃棄の対象になる。
しかし日本にとっての脅威は短・中距離弾道ミサイルであり、日本政府はそれらの全廃を主張している。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真だが北朝鮮としても、装備のほとんどが老朽化し、また軍紀のびん乱で軍が弱体化している現状では、「虎の子」の弾道ミサイル戦力をそう簡単に手放せない事情もあるのである。