抵抗することも通報することもできず、静かにその場を離れたりすることでしか、行為から逃れられなかったという。
「何度も(性的暴力の)被害に遭いました。市場の取締官や保安員は気の向くままに、市場の外にある部屋や他の場所に呼び出しました。どうしようもありません。私たちのことを性的なおもちゃと考えているというのに…私たち(女性)は男たちの手のひらの上で転がされているのです。力のある男がそばにいなければ女は生きていけません」
女性たちは、権限を持った男性から目をつけられれば、性や金品の上納から逃れられない。拒否すればよりひどい目に遭わされるだけではなく、商売ができなくなったり、教化所(刑務所)送りになったり、様々な制裁を加えられる。性暴力があまりにも蔓延し、もはや日常生活の一部と化していると脱北女性たちは証言した。
(参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」)女性たちが沈黙を強いられる理由はほかにもある。性暴力を含めた性に関する教育をほとんど受けておらず、知識を持ち合わせていないことだ。