これに対して保衛部の内部はもちろんのこと、ソンさんの家族、一般市民に至るまで、 「罪人の人権など重要視されなかった昔とは変わった」 「非法越境者(脱北者)を反逆者とみなしていた以前とは大きく変わった」などと、皆一様に驚きを示している。
(参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」)今回の処罰は、金正恩党委員長の指示が影響しているものと思われる。金正恩氏は2016年の末から翌年初めにかけて、職権を乱用して金儲けをするな、住民に対する暴行、拷問などの人権侵害をやめるようにとの指示を下したと伝えられている。
情報筋によると、保衛部に対しては「住民に対する暴行と拷問などの人権蹂躙をなくせ」という指示が繰り返し下されている。そのため容疑者に対する暴行は、金正恩氏への不服従とみなされる可能性もある。