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金正恩が韓国の熱望を「スルー」…対日独立運動記念に「関心なし」

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北朝鮮が、韓国政府が熱望していた共同行事の開催を「スルー」した。韓国の文在寅大統領は昨年9月の首脳会談で、日本による植民地時代に起きた独立運動「3.1運動」の100周年を記念する行事を、共同で開催することを北朝鮮側に提案。金正恩党委員長がこれを受け入れ、南北共催は「9月平壌共同宣言」にも盛り込まれた。

ところが3月1日の当日を目前に控え、北朝鮮は韓国側に「今回の開催は難しい」と公式に知らせてきたのだ。理由については「時期的に難しい」としているようだが、北朝鮮は「3.1運動」に対し、韓国ほどには思い入れがない。さらに、南北対話もあくまでマイペースで進めようという北朝鮮側の姿勢の表れとも言える。

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このところ、南北は親密さを増しているように見えるが、人権問題や軍事に関しては、北朝鮮は韓国側に強い不信感を示すことがある。韓国との付き合いは、あくまで是々非々なのだ。

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今回の件も同様と言える。韓国統一省は21日、北朝鮮側が同日、李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長の名義で趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相宛てに通知文を送り、今回の開催は難しいと公式に通知があったと明らかにした。

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統一省は、北朝鮮側が「時期的に共同行事を準備するのが難しい」点を主な理由に挙げたと説明した。27~28日に米朝首脳会談があることを考えれば当然とも言えるが、北朝鮮のこれまでの態度を見ると、どうやら開催見送りの理由は日程だけではない。

韓国紙・中央日報(日本語版)は13日付で、行事開催に関する韓国側からの提案を、北朝鮮が「黙殺無返答で一貫している」と報道。その背景について「単なる日程の問題というよりは三一節(3.1運動)に対する南北の認識の違いのせい」との分析も出ていると伝えた。北朝鮮は、独立運動で最も重要だったのは「3.1運動」ではなく、金日成主席の抗日武装闘争だったと評価しているためだ。

北朝鮮は、最高指導者の権威が何よりも重視されるお国柄だ。それを少しでも傷つけるようなことをすれば、重罪に問われる。

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そして、「3.1運動」の意義を強調することは、最高指導者の歴史的な権威を相対化することにつながりかねない。たとえ首脳会談で韓国との共催が決まっていても、その行事を直接担当したいと思う幹部はいなかったのではないか。命がいくつあっても足りないからだ。

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実際、北朝鮮系の民族団体である在日本朝鮮人総連合会の関係者も、「本国もうちの組織も、正直なところ、今まで3.1運動にはそれほど関心がなかった。南北共催がいったん決まり、皆、何をすれば良いのか途方に暮れていたのではないか」と語る。

朝鮮半島の分断はすでに70年以上に及んでいるわけで、このような歴史的な認識の相違はほかにも少なくない。今後、南北が接近するほどに、むしろこうした違いが鮮明になっていくのかもしれない。