韓国の文在寅大統領の発言に対し、米ホワイトハウスの関係者らが不快感を表したという。
文在寅氏は26日、聯合ニュースやAFPなど国内外の通信社による書面インタビューに答え、「プルトニウム再処理施設とウラン濃縮施設を含む寧辺の核施設のすべてが検証の下で全面的に完全に廃棄されるなら、北朝鮮の非核化は後戻りできない段階に入ると評価しうる」との考えを示した。
果たして、この認識は正しいのだろうか。疑問に思った人は少なくなかったようで、この発言にはさっそく物言いがついた。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真韓国紙・東亜日報(日本語版)がワシントンの外交筋からの情報として伝えたところによれば、この発言に対してホワイトハウス関係者らは、「(文大統領とは)考えが同じでない」とし、不快感を示したという。
(参考記事:「韓国は欲張り過ぎだ」米国から対北朝鮮で厳しい声)一方、北朝鮮は27日、外務省局長の談話を通じて「(朝米対話の)仲介など必要ない」として韓国を突き放している。
(参考記事:「何故あんなことを言うのか」文在寅発言に米高官が不快感)文在寅氏は、主要国の首脳が一堂に会す「20カ国・地域首脳会議」(G20サミット=大阪・28~29日)への参加を目前に控え、米国と北朝鮮の双方からダメ出しされてしまったわけだ。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真北朝鮮が韓国にダメ出しをした理由は、文在寅政権が米国の視線を気にして、いつまで経っても南北経済協力に踏み出そうとしないからだ。一方、ホワイトハウス関係者らは文在寅氏が前述のインタビューで、開城(ケソン)工業団地の再開などに言及したことに対しても、「実質的な非核化の進展がなければ難しいという従来の立場に変わりはない」と強調したという。
まさに、文字通りの「板挟み」である。しかし、この窮地を招いたのは文在寅政権自身に他ならない。非核化のロードマップすら見えない中で、北朝鮮と安易な約束を交わしてしまったのが原因なのだ。政権の外交音痴のために窮地に陥っているのは、日韓関係だけではないのである。
(参考記事:韓国専門家「わが国海軍は日本にかないません」…そして北朝鮮は)青瓦台(韓国大統領府)はインタビュー公開の翌日、記者団に「寧辺の核廃棄は完全な非核化に進むための後戻りできない段階に入る入口」とし、「寧辺の非核化が完全な非核化ということではない」と釈明したという。果たして、それで米国の懸念が消えたかどうかはわからない。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真北朝鮮との関係は、より難しい状況にある。韓国では、政府系シンクタンク・統一研究院が毎年発行してきた『北朝鮮人権白書』の2019年版の公開が遅れていることが問題視されている。今月7日に同研究院のウェブサイトに一時掲載されたが、すぐに削除された。同研究院は「校正中」と説明しているが、国民への残忍な人権侵害を非難されることを何より嫌う、金正恩党委員長への「忖度」であることは明らかだ。
(参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」)しかし文在寅政権としても、これをいつまでも公開しないというわけにもいかない。そんなことをすれば世論の非難が強まるし、公開したらしたで北朝鮮の不興を買う。
(参考記事:【写真】元人気女子アナが韓国政府を猛批判「北が敵じゃないって…」)文在寅政権が「板挟み」から脱する道は、しばらく見つかりそうもない。